皮膚に現れる複数の斑点は、時に遺伝性疾患の診断指標として極めて重要な意味を持つ。その代表格が、19世紀のドイツの病理学者フリードリヒ・フォン・レックリングハウゼンによって体系化された神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)である。
この疾患は第17染色体にあるNF1遺伝子の変異に起因し、皮膚のカフェ・オ・レ斑をはじめ、神経線維腫と呼ばれる良性の腫瘍、骨の変形など多彩な症状を全身に引き起こす。日本では厚生労働省によって指定難病に定められており、難病克服研究プロジェクトなどを通じた病態解明と新たな治療薬の開発が今なお精力的に進められている。色素斑の出現は、この疾患が最初に発する臨床的なサインとなる場合が極めて多い。