かつて社会現象を量産した看板枠「月9」は、従来の恋愛至上主義から完全に脱却し、作家性とエッジの効いたサスペンス、骨太なヒューマンドラマへとシフトを遂げた。独自のカラーを打ち出すテレビドラマの現場では、映画クオリティの撮影機材とポストプロダクション体制が標準化。映画館に足を運ぶような映像体験をリビングルームで再現する試みが、目の肥えたドラマファンを唸らせている。
さらにファンを歓喜させているのが、伝説的メガヒット作『踊る大捜査線』シリーズに代表される強力なIP(知的財産)の多層的な再起動だ。単なる懐古趣味のリブートにとどまらず、スピンオフや次世代キャラクターの物語を同時並行で走らせ、劇場版と連動させる壮大な世界観ビジネスが展開されている。過去のレガシーを現代の映像技術と語り口でアップデートする手法は、オールドファンを呼び戻すだけでなく、Z世代にとっても新鮮なエンターテインメントとして機能し始めている。