現代の鳥類進化論を語る上で欠かせないのが、二足歩行の肉食恐竜グループである獣脚類の存在だ。かつては巨大なトカゲと考えられていたティラノサウルス・レックスも、現代の分子古生物学の知見によれば、爬虫類というよりもむしろ鳥類に近い生理機能を持っていた可能性が高い。心臓の構造や代謝速度、さらには羽毛の存在に至るまで、共通点は挙げ出せばキリがない。
大型獣脚類から小型の飛行型生命体へのシフトは、劇的な体重軽量化と気嚢システムの発達によって可能となった。中空構造を持つ骨の進化は、重い体を支えるためではなく、大量の酸素を取り込んで高代謝を維持するためのシステムだったのだ。この劇的な適応こそが、巨大隕石の衝突という破滅的な環境変動を生き延びる鍵となった。