近年のファッション業界を席巻する大きな潮流といえば、カルチャーに根ざしたユーススタイルの台頭だ。なかでもフットボールカルチャーを街着に落とし込んだ「ブロークコア」と、過酷なアウトドアスペックを都会的に昇華させた「ゴープコア」の波は、今季さらに成熟したフェーズへと突入している。
かつてはサブカルチャーのアイコンだったヴィンテージのユニフォームやテクニカルシェルが、今やテーラードジャケットのインナーや、フェミニンなプリーツスカートの相棒として選ばれている。異なる文脈を衝突させるハイブリッドなセンスが、着る人のパーソナリティを雄弁に物語る。機能性偏重でもなく、単なる懐古趣味でもない。都市生活に必要な快適さを担保しながら、ウィットに富んだ違和感を楽しむ大人が増えているのだ。