『BORDER』のタッグ再びとなった『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』において、小栗旬は元自衛隊特殊部隊の捜査員・稲見朗を演じました。本作の最大の特徴は、徹底的なリアリズムに基づいた格闘アクションと、救いのないポリティカル・サスペンスの融合です。
CRISIS 小栗旬 西島秀俊 アクションのクオリティは、日本の地上波ドラマの常識を覆しました。小栗と西島は撮影開始の1年以上前から、東南アジアの伝統武術「カリ・シラット」の訓練を積んで撮影に臨みました。第7話や第8話で見せた、一切の妥協を排した長回しの乱戦シーンは、海外見本市「MIPTV」でも高く評価された実績を持ちます。
物語の根底に流れるのは、「国家を守る」という大義名分のもとで切り捨てられる個人の尊厳です。どれほど命を削って任務を完遂しても、都合の悪い真実は隠蔽され、救われない弱者が取り残されていく現実に、稲見や田丸(西島秀俊)は絶望を深めていきます。最終回、特捜班のメンバー全員が国家への反逆を示唆する表情を見せて幕を閉じるラストは、視聴者の倫理観を強く揺さぶりました。