「たのきん」を語る上で欠かせない存在が、ギタリストとして自らの音楽道を突き進んだ野村義男だ。華やかなソロ歌手としてチャートを賑わせた田原と近藤の間で、野村の存在はユニットに音楽的な深みと絶妙なバランスをもたらしていた。
バンドサウンドへのこだわりを持ち、後に一流のギタリストとして大成していく野村の姿勢は、グループ全体の表現力を支える隠れた屋台骨だった。個性が激突するトップアイドルグループの中で、彼が果たした役割は極めて大きい。昭和歌謡がもっとも輝いていたあの時代、3人の異なる才能が見事に噛み合ったからこそ、あの奇跡的な爆発力が生まれたのだ。