1941年5月7日生まれの萩本欽一は、現在84歳。まもなく85歳という節目を迎えようとしている。同世代の表現者の多くが一線を退くなかにあって、彼の日常には「引退」の二文字は見当たらない。近年も単発の特別番組への出演をはじめ、後進の育成や新しいメディアへのアプローチなど、多角的なアクションを展開している。
彼を突き動かしているのは、尽きることのない好奇心だ。「年をとったから休むのではなく、年をとったからこそ新しい失敗ができる」と語るそのスタンスは、80代を迎えてさらに研ぎ澄まされた。スタジオに入れば誰よりも早く立ち上がり、スタッフや共演者に細やかな指示を飛ばす。年齢という数字を単なる記号に変えてしまうバイタリティは、放送関係者の間でも驚嘆の的となっている。