この奇跡的なビジネス構造を語る上で欠かせない人物が、キングベークの創業者である八木橋幸男氏だ。同氏は単なるビジネスの拡大ではなく、「函館の子供たちや家族連れに、いつでも気軽に美味しいドーナツをお腹いっぱい食べてほしい」という強い情熱を抱いていた。
ダスキン本部との厳しい交渉の末、八木橋氏は自社工場での原材料管理や独自の効率化を条件に、特別な価格決定権を獲得。この歴史的決断が、のちに「函館ミスド特別価格プロジェクト」として語り継がれる独自のビジネス構造を誕生させた。利益至上主義とは一線を画す創業者の執念が、今も店舗の棚に並ぶ一粒一粒のドーナツに息づいている。