妊娠中から産直後にかけて、女性の体内では関節や靭帯を緩めるホルモンである「リラキシン」が分泌され続ける。このホルモンのおかげで赤ちゃんの頭部が産道を通り抜けられるわけだが、解剖学的な代償は大きい。グラグラに緩んだ骨盤基盤は、出産後もすぐには元に戻らない。
日本産科婦人科学会の発信情報や臨床知見に目を通すと、産後数か月間における骨盤の不安定さが、将来的な慢性腰痛や股関節痛、尿もれ、下腹部のたるみといった不調のトリガーになることがよく知られている。歪んだ状態で関節が固定されてしまうと、後からの矯正には莫大な労力がかかる。だからこそ、体系化された産後ケアの早期介入が欠かせない。