ワイドショーなどでタレントやお笑い芸人、元スポーツ選手が客員教授に就任したと報じられると、「学歴や研究実績がないのになぜ?」と疑問視される場面があります。客員教授になる条件と資格には、文部科学省が定める厳密な学位基準が必須とされていない点が背景にあります。
大学設置基準上、専任教員には修士・博士号や学術論文の実績が厳格に求められますが、客員教授については「専攻分野について特に優れた知識及び経験を有し、教育研究上の能力があると認められる者」といった大学独自の裁量で選任が可能です。
芸能人や有名人が客員教授になる理由には、大学側と就任者側の双方に明確なメリットが存在します。
大学側の最大の狙いは広報効果と志願者の獲得です。少子化に伴い学生募集の競争が激化する中、ネームバリューのある著名人が教員一覧に並ぶだけでメディア露出が増え、オープンキャンパスの集客力が跳ね上がります。同時に、メディア論や表現技術、アスリートのメンタル管理など、学問の枠を超えた実践的な講義を提供できる利点もあります。
一方、就任する著名人側にとっても「大学教授」という肩書きは知的なイメージ向上や社会的信用の獲得につながり、文化人枠としての仕事拡大に直結します。
では、客員教授はすごいのか肩書きの実態をどう評価すべきでしょうか。学術界における「研究の権威」という意味での凄さとは異なりますが、社会で突出した成果を出し、大学から請われて教壇に立つという点においては、一流の実績を持つ証左であることは間違いありません。