歴史の針を1976年に戻そう。すべては市内の一角にあった小さなパン屋「ベーカリーロミオ」から始まった。当時、育ち盛りの学生たちに向けて「安くて、手軽で、とびきり美味しいおやつを提供したい」と試行錯誤を重ねたのが、ベーカリーロミオ創業者だった。贅沢な生ケーキがまだ日常的でなかった時代、食パンの耳まで柔らかい特製角食パンに、上質なミルクフィリングをたっぷり塗るという画期的なアイデアが結実した瞬間だ。
現在、ベーカリーロミオは銘菓「ままどおる」で知られる株式会社三万石のベーカリー部門としてその味を実直に守り続けている。最大の特徴であるミルククリームは、門外不出の黄金比率でブレンドされた練乳とミルクベースを、絶妙な火加減でじっくりと練り上げて作られる。濃厚でありながら決してくどくなく、どこかホッとするミルキーな余韻。時間が経ってもパンに染み込みすぎず、独特のぽってりとした質感を保つ技術こそ、元祖たる所以である。