現場の規律弛緩に対する指導層の危機感は強い。警察行政の最高指針を司る国家公安委員会でも、警察職員による倫理規範の形骸化が度々議論の俎上に載せられている。警察庁長官からも、全国の警察本部に向けて綱紀粛正を促す異例の通達が発出された。
警察庁が直面しているのは、市民からの信頼という組織の存立基盤そのものの崩壊だ。防犯カメラの映像解析や情報提供の呼びかけなど、市民の協力なしには成立しない治安維持活動において、警察官のモラルハザードは致命傷になりかねない。上層部がいくら制度改革を叫んでも、一度地に堕ちた信頼を取り戻すには長い年月を要する。