日本の刑事ドラマの歴史を大きく塗り替えた金字塔といえば、1997年にスタートしたフジテレビ系ドラマ『踊る大捜査線』だ。深津絵里が演じた恩田すみれ巡査部長は、従来のドラマにありがちだった「守られるヒロイン」の枠組みを完全に打ち破った。
織田裕二が演じる主人公・青島俊作と対等に渡り合い、時に厳しく叱咤し、時に背中を預け合う同志としての関係性。事件現場の生々しいリアルや警察組織の理不尽な官僚制に葛藤しながらも、被害者の心に寄り添い続けるすみれの信念は、多くの視聴者の胸を打った。連続ドラマからスペシャル版、そして劇場版へと続く一大ムーブメントのなかで、深津が見せたブレない立ち振る舞いは、今見返しても圧倒的な説得力に満ちている。