ド派手なアクションや莫大な予算だけがドラマの価値ではない。言葉の力、構造の妙で見る者を圧倒するのが、現代屈指のヒットメーカー・野木亜紀子の世界だ。
彼女が手がけるサスペンスドラマは、単なる犯人捜しにとどまらない。現代社会の歪み、制度の不条理、市井の人々のやるせない感情をあぶり出す。1話ごとに張り巡らされる緻密な会話劇と、後半で怒涛のように回収されるプロットの美しさ。息をのむテンポ感に、気づけば深夜まで画面を凝視してしまう視聴者が後を絶たない。
人間の業を描き切る脚本力があるからこそ、俳優たちの演技も一段と輝きを増す。知的刺激と感情の揺さぶりを同時に求めるなら、この潮流を見逃す手はない。