館内に足を進めると、国内はもちろん世界的にも極めて珍しい至高の展示空間が待っている。ここ長崎県美術館が収蔵するのは、アジア最大級の規模を誇るスペイン美術の膨大なコレクションだ。
外交官・須磨弥吉郎氏が情熱を注いで収集した作品群は、まさに圧巻の一言。20世紀を代表する巨匠パブロ・ピカソの力強い筆致や、キュビスム期の葛藤が滲む作品が鑑賞者を一瞬で惹きつける。一方で、サルバドール・ダリのシュルレアリスム全開な独創的世界観も間近で体感可能だ。中世から現代に至るスペイン芸術の熱い脈動が、この長崎の地でいまも力強く息づいている。