この劇的な変化の震源地は、近年のスクリーンカルチャーにある。Disney+で世界的大ヒットを記録したドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』で主演を務めるジェレミー・アレン・ホワイトが見せた、無骨でありながらどこか哀愁と色気を漂わせる白タンクトップ姿は、世界中のファッショニスタの視線を釘付けにした。鍛え上げられた肉体にシンプルなリブ編みというストイックな組み合わせは、現代におけるマスキュリニティの新たな象徴となった。
歴史を遡れば、1990年代末の映画『ファイト・クラブ』でブラッド・ピットが体現したグランジ感あふれるアンダーグラウンド・スタイルも、タンクトップの文化的アイコンとして長く語り継がれてきた。しかし、Netflixなどの配信プラットフォームを通じてグローバルなトレンドが瞬時に拡散する現在、その文脈はより多様で日常的なものへと昇華されている。『GQ JAPAN』をはじめとする主要メンズファッションメディアでも、タンクトップは「単なる肌着」ではなく「エフォートレスなラグジュアリー」のキーピースとして幾度となく特集が組まれている。