大間の一本釣り漁において、近年特に注意が払われているのが船上作業中の特殊な機材トラブルや巻き込まれ事故です。重さ100キロから時には300キロ近くに達する巨大マグロを仕留める際、漁師たちは「電気ショッカー(電気モリ)」と呼ばれる高圧電流機器を使用します。
この大間の一本釣りで用いられる電気ショッカーの事故は、激しく暴れるマグロと揺れる船上という極限状態の中で発生します。水で濡れた甲板上で誤って自らに通電させてしまったり、漏電によって感電ショックを受けたりすると、ショックによる心不全やそのまま海へ転落する重大事故につながります。
加えて、太いナイロンテグスやワイヤーが手足や衣服に絡まり、マグロの怪力で海中に引きずり込まれる「巻き込まれ事故」の恐怖も常に隣り合わせです。時速数十キロで急潜航する巨大魚のパワーは人間の力では到底制御できず、指の切断や骨折、最悪の場合はそのまま海底へと引きずり込まれる事例も報告されています。