病床で先の見えない日々に苦しんでいた酒井一圭に、ある転機が訪れます。夢の中に昭和の大スター・石原裕次郎が現れ、「ムード歌謡をやれ」と語りかけてきたという不思議な啓示でした。この出来事をきっかけに、「戦隊ヒーロー出身の仲間たちを集めて歌謡コーラスグループを作る」という前代未聞のプロジェクトを立ち上げます。
2007年に結成された「純烈」ですが、当時の音楽業界においてムード歌謡は下火であり、大手レコード会社からの契約解除など厳しい現実に直面しました。テレビやラジオへの出演機会に恵まれない中、酒井一圭が活路を見出したのが「スーパー銭湯や健康ランドでの営業」です。
ステージと客席の距離が数センチという極限の現場で、一人ひとりのファンと握手を交わし、心を込めて歌を届ける地道なドブ板営業を継続。口コミが徐々に全国へと広がり、2018年には悲願であった『NHK紅白歌合戦』初出場を達成しました。逆境を奇抜な発想と圧倒的な行動力で跳ね返した、まさに伝説の下克上ストーリーです。