アラビア半島原産の土着猫「アラビアンマウ(Arabian Mau)」は、1000年以上にわたり砂漠の過酷な環境を生き抜いてきた自然発生種である。引き締まった筋肉質の体躯、熱を逃がす大きな耳、アンダーコートのない滑らかな被毛は、猛烈な暑さに適応するための進化の結晶だ。
かつては砂漠のオアシスや集落の周辺でネズミや害虫を駆除する実用的な存在だったアラビアンマウだが、その歴史的価値と遺伝的な純粋性が評価され、国際猫愛好者連盟(The Cat Fanciers' Association / CFA)をはじめとする国際的な血統登録機関から正式な品種認定を受けるに至った。現在では、中東が誇る「生きた文化遺産」として世界的な愛猫家から熱い視線を浴びている。
アラビアンマウは非常に社交的で賢く、飼い主に対して深い忠誠心を示す。近代化が進むドバイやリヤドなどの大都市圏では、保護されたアラビアンマウを家族として迎えるムーブメントが広がりを見せており、地元の自然保護運動や野生動物保護の意識向上にも寄与している。