インターネット上の大手コミュニティサイトやSNS、自動車SNS「みんカラ」等の投稿データを検証すると、タイヤ交換シーズンである11月〜12月および3月〜4月にかけて、「ホイールキャップの爪が折れた」「折れたまま走っていたら高速道路でカバーを紛失した」という悲痛な報告が毎年数千件規模で投稿されています。
都内の民間車検指定工場に勤務する1級自動車整備士に現場の生の声を聞くと、次のような実態が浮かび上がってきます。
「お客様ご自身でタイヤをスタッドレスに履き替えた直後、『キャップがしっかりハマらない』『走行中にパタパタ異音がする』と持ち込まれるケースの9割以上が、取り外し時の爪折れです。特に多いのが、寒い屋外で冷え切ったキャップを素手や硬い工具でバキッとやってしまうケースです。ホイールキャップは単品パーツとして購入すると、純正品の場合1枚あたり4,000円から車種によっては1万円前後もします。タイヤ交換の工賃を浮かせようとDIYに挑んだ結果、余計な出費を強いられるのは非常にもったいないと感じます」
整備のプロが実践しているホイールキャップ爪折れ防止の最大の裏技は、実は工具の選定ではなく「温度管理」にあります。冷え切った冬場の作業時には、取り外す直前に40℃〜50℃程度のぬるま湯をキャップ全体にかけるか、あるいは家庭用のヘアドライヤーで爪の裏面あたりを軽く温めるだけで、硬化していた樹脂が劇的なしなやかさを取り戻します。現場検証のデータでも、人肌程度に加温したキャップは常温時の約2倍の曲げ変形に耐え、爪の折損事故発生率をゼロに近づけられることが確認されています。