この街を歩く最大の面白さは、東西の出口で見せる強烈なコントラストにある。
東口に降り立つと、そこは昭和の活気を色濃く残す商店街ワールドだ。「サンロード」や「八雲通り」など網の目のように広がる路地には、個人経営の精肉店、八百屋、昔ながらの惣菜屋が今も元気に暖簾を掲げる。夕方になれば、今夜の晩酌のつまみを買い求める地元客と店主の小気味よい掛け合いが響く。チェーン店ばかりで均一化された都心の駅前風景とは対照的な、血の通った温もりがここには息づいている。
一方の西口は、かつての上福岡霞ヶ丘団地が「コンフォール霞ヶ丘」として美しく再開発された緑豊かなエリアだ。広大な敷地に整然と配置された低層・中層住宅、幅の広い歩道、四季折々の木々が植えられた公園が連なる。車道と歩道が明確に分離されたランドスケープは、小さな子どもを持つ親にとって圧倒的な安心感をもたらす。懐かしさとモダンな都市計画が、線路を挟んで見事に共存しているのだ。