大手コミュニティサイトやSNS、しつけ相談の現場には、「可愛い姿に油断して大怪我をした」という切実な告白が毎年多数寄せられています。現場のリアルな声と、獣医師やドッグトレーナーが目撃した実態を検証すると、共通する飼い主の思い込みが浮き彫りになります。
都内の動物病院に駆け込んだ40代女性の手記には、痛烈な後悔が綴られています。
「保護犬を迎えて半年、リビングで急にコロンとお腹を見せてくれたんです。『やっと私に心を開いてくれた!』と嬉しくて、顔を寄せてお腹を撫でようとした瞬間、唸り声とともに鼻先を本気で噛まれました。血が止まらず全治3週間の怪我でした。トレーナーさんに相談して初めて、あのとき愛犬が目を泳がせ、体をガチガチに固めて怯えていたことに気づきました。私の独りよがりが、あの子を極限まで追い詰めていたんです」
知恵袋やSNS上でも、「お腹を見せるから撫でると低音で唸る」「散歩中、他の犬にお腹を見せるので社交的だと思っていたら、実は恐怖でパニックを起こしておもらし(服従性排尿)をしてしまった」といった相談が後を絶ちません。現場の専門家が一様に指摘するのは、「犬のお腹見せ=撫でてOK」という短絡的な公式が、日本中で咬傷事故を量産しているという冷徹な事実です。