そもそも「身長から110を引く」という計算のルーツは、19世紀のフランスの統計学者アドルフ・ケトレーが提唱したBMI(体格指数)の概念が一般向けに極度まで簡略化されたものと言われている。日本において高度経済成長期から平成初期にかけて広まり、「160cmなら50kg」という直感的なわかりやすさが大衆誌やテレビ番組を通じて定着した。
しかし、この計算式には個人の筋肉量、骨格の太さ、体水分量といった極めて重要なファクターが一切考慮されていない。単なる算数の引き算によって弾き出された数字が、いつの間にか「理想のスタイル」という根拠のないラベルに置き換わってしまった歴史的な経緯がある。