原作コミックの最新シリーズにおいても、佐天涙子は物語の重要な狂言回し、そしてトラブルシューターとして独自の存在感を保ち続けています。都市伝説を追う中で厄介な事件に巻き込まれるお約束の展開は健在でありながら、かつてのような能力へのコンプレックスに苛まれる姿は見られません。美琴、食蜂操祈、初春といった規格外の面々の間に立ち、日常と非日常を繋ぐ「最大のバッファ(緩衝材)」として機能しています。
そして、彼女の魅力を語る上で絶対に欠かせないのが、声優・伊藤かな恵さんによる圧巻の演技です。天真爛漫で明るいからかいの声色から、レベルアッパー編で見せた絞り出すような泣き叫び、フレンダを想う切ない沈黙に至るまで、感情の機微を見事に演じ分けました。当時の制作スタッフやキャストのインタビューでも、伊藤さんの熱演がキャラクターの人間的な深みを何倍にも引き上げたことが証言されています。