栃木県の湯西川温泉や宮崎県の椎葉村など、観光地として成功を収めた「隠れ里」がある一方で、地図から消えかけている無名の集落は数知れない。インバウンドの恩恵を受ける華やかなスポットの裏で、水道や電気といった基本インフラの維持すら困難になった超限界集落が悲鳴を上げている。
過疎化は容赦ない。若者は街へ出て行き、残されたのは平均年齢75歳を超える高齢者ばかりだ。ある自治体関係者は「観光ポスターに描かれる『ロマンあふれる落人の里』は、実質的にゴーストタウン化の一歩手前にある」と明かす。伝説を売りにした地域活性化のビジネスモデルは、住民の消滅という冷酷な現実の前に立ち往生している。