ランキングの数値がどれほど華々しくとも、現場が抱える構造的課題を覆い隠すことはできない。第一の急務は、長年放置されてきた継戦能力の欠如だ。冷戦終結後の防衛費抑制のツケとして、火薬庫の不足や弾薬の備蓄不足、装備品の部品取りといった深刻な問題が長らく続いてきた。いくら高性能な艦艇や戦闘機を揃えても、撃つ弾がなく、予備部品が枯渇すれば、初動数日で戦闘力を喪失する。
第二の壁は、急激な少子化に伴う深刻な自衛官の募集難だ。自衛官の充足率はとりわけ若手階層において低迷を続けており、採用枠を大きく割り込む状況が常態化している。給与体系の抜本的見直しや勤務環境の改善、無人化技術・省人化システムの導入が進められているものの、現場の人的負担は限界に近い。
第三に、国内の防衛産業の脆弱性がある。利益率の低さや開発リスクの高さから、主要サプライチェーンから撤退する企業が相次いできた。防衛装備移転三原則の運用指針改定により完成品の輸出枠が緩和されたものの、国際競争力を持つサプライヤーの育成と国内製造ラインの維持は急務であり、産業基盤の崩壊を食い止める抜本策が求められている。