第271話のサブタイトルは「これから」。人外魔境新宿決戦という未曾有の死闘を経て、物語は虎杖悠仁、伏黒恵、釘崎野薔薇の3人が呪術高専の任務に向かう軽妙な掛け合いからスタートします。
ターゲットとなったのは、顔のパーツを変えられてしまう呪術被害に遭った一般人の救出任務でした。単なるバトル描写ではなく、犯人の呪詛師に対して虎杖が語りかける場面が物語の核を担っています。虎杖は相手を一方的に断罪・抹殺するのではなく、「自分が生きる意味」や「他者との関わり」について諭し、再起の機会を与える対話を選択しました。かつて祖父から託された「人を助けろ」という呪いのような遺言は、虎杖自身の主体的な意志へと昇華され、呪術師としての新たな歩みが示されました。
また、多くのファンが注目していた五条悟の復活については、肉体的な生存・復活という形ではなく、回想シーンを通じてその精神が明かされる構成となりました。かつて五条が虎杖に語りかけた「強くなってよ 誰にも置いていかれないくらい」「僕の夢は叶ったようなもんさ」という言葉は、最強の孤立から脱却し、自分を超える信頼できる仲間(次世代)を育て上げたことへの満足感を象徴しています。
一方、宿敵である両面宿儺の最後のシーンでは、精神世界(生の狭間)において裏梅や万と対峙する描写が挿入されました。万から差し伸べられた手を払いのけ、「自分の快不快のみ」で生きてきた宿儺が、「今度は別の生き方を試してみるのも悪くない」と述懐する場面は、絶対悪としての宿儺が最後に虎杖の生き様に影響を受けたことを暗示させる極めて印象的な幕引きとなりました。