重心を苦手とする最大の原因は、数学の幾何公式と物理の計算式を別個のものとして丸暗記しようとする点にあります。まずは両者をつなぐ重心の定義と性質まとめを確認し、本質的なイメージを掴みましょう。
重心(Center of Gravity / 幾何学ではCentroid)とは、物体全体に働く重力の合力の作用点であり、幾何学的には「図形全体の幾何学的な中心(バランスの取れる1点)」を指します。シーソーの支点に乗せたとき、物体がどの方向にも回転せずに静止する点、すなわち「重力による力のモーメントの総和がゼロになる位置」こそが重心です。
この性質を数式で捉えると、重心位置はすべての質点の位置座標をその質量で重み付けした重み付き平均(加重平均)として表現されます。数学の「各頂点の座標を足して割る」計算も、物理の「質量を掛けた座標の総和を全質量で割る」計算も、すべて同じ構造を持っています。この統一ルールを念頭に置くだけで、公式への迷いは劇的に減ります。