中田敦彦の名を決定的に「異端児」として印象付けたのは、ダウンタウンの松本人志に対する一連の提言動画だった。お笑い賞レースの審査員を独占している現状に切り込み、「審査員を譲ってほしい」と訴えたあの発言は、お笑い界のみならずメディア全体を巻き込む大論争へと発展した。
この発言に対し、ネット上では「よく言った」「権力集中への正当な批判だ」と称賛する声が上がる一方で、「先輩へのリスペクトがない」「売名行為だ」「単純にうざい」という猛烈なバッシングが殺到した。ここで彼が行ったのは、日本のお笑い界ではタブーとされてきたメタ的な「芸能批評」である。自らもプレイヤーでありながら、構造そのものを外部から解読し批判するスタイルは、伝統的な「芸人の仁義」を重んじる層には到底受け入れがたいものだった。