静止軌道は、ミサイル防衛のための赤外線早期警戒衛星や、軍事通信を司る基幹衛星が配置される絶対的な戦略拠点である。輸送能力の飛躍的な向上は、中国軍のC4ISR(指揮・統制・通信・コンピューター・情報・監視・偵察)能力の直律的な強化に直結している。
日本の防衛省や米インド太平洋軍は、静止軌道上に配置される中国のデュアルユース(民生・軍事両用)衛星の挙動を厳重に監視している。他国の衛星に接近して妨害や観察を行う「近接運用(RPO)」が可能な衛星がこのロケットによって運び込まれるリスクも指摘されており、宇宙空間の透明性とルールの確立をめぐる外交戦は、かつてない緊張感を帯びている。