織田の勇退以降、スポーツ放送を取り巻くエコシステムは激変した。地上波の生放送に依存していた時代から、TVerでのリアルタイム配信や追っかけ再生、そしてU-NEXTなどの動画配信プラットフォームを活用したマルチアングル視聴へと主戦場が移っている。視聴者は自らの好みに応じて、現地音声のみのトラック映像や特定選手の追跡カメラを自由に選択できるようになった。
こうしたテクノロジーの進化は、特定の熱血キャスターが全編を力技でナビゲートする従来型のテレビ演出を過去のものへと押し流しつつある。スマートフォンの画面で細切れのハイライトを消費する現代の視聴者に対して、TBSもデータ連動やSNSとのリアルタイムな連携を重視したスマートな中継設計へと舵を切った。織田の卒業は、地上波テレビが独占していたスポーツ観戦体験が解体・再構築される過渡期の象徴でもあった。