だが、子供を持たない人々が本当に「ずるい」と言われるほど甘い汁を吸っているのだろうか。現実は決してそうではない。彼らもまた、高い所得税や住民税を支払い、社会保障費を負担している。むしろ、配偶者控除や扶養控除といった税制上の優遇措置を受けられないため、実質的な税負担は独身者や子なし世帯の方が重いケースも少なくない。
さらに、望んで子供を作らない人ばかりではない。不妊治療の末に諦めた人、経済的な理由で断念せざるを得なかった人、あるいは身体的な理由で産めない人。そうした個々の事情を無視し、「産まない=利己的でずるい」と一括りにする風潮は、当事者たちを深く傷つけている。「産まないのではなく、産めなかった。それなのに社会から非国民のように扱われるのは耐えられない」と、ある40代女性は涙ながらに語った。