そもそも『千本桜』がリリースされた2011年頃のニコニコ動画は、アングラで混沌としたサブカルチャーの遊び場だった。当時は「ちょっと不謹慎でトガった表現」こそがクールとされ、クリエイターたちも意図的にタブーに触れるような歌詞を書いていた背景がある。
しかし、ボカロが完全にメインストリーム化し、全世代向けのファミリーコンテンツとなった現代において、当時の「悪ノリ」や「毒」はコンプライアンスのフィルターに引っかかってしまう。時代が変われば、表現の許容範囲も変わる。かつての名曲が、現代の倫理観という物差しで裁かれることの是非が問われている。