元々は19世紀のイギリス海軍の作業着として生まれた水兵服が、日本の女学生の制服として定着し、やがてマンガやアニメを通じて世界中の若者の憧れとなった歴史は極めて興味深い。『セーラームーン』に代表される90年代の魔法少女ブームから、2000年代の日常系アニメ、そして現代のハイエッジなイラスト表現に至るまで、この服は常に時代の青年のアイデンティティを映し出す鏡であり続けてきた。
時代ごとに変化してきたシルエッティやカラーリングの流行を辿るだけでも、日本のビジュアルカルチャーの足跡がくっきりと浮かび上がってくる。流行が目まぐるしく移り変わる現代においても、セーラー服というデザインの骨格自体が持つ普遍的な美しさは決して色褪せることがない。