1970年代、日本のテレビ産業は急速な拡大期を迎えていた。カラーテレビの普及とともに、画面の中に登場するタレントの一挙一動が社会的な影響力を持つ時代だ。そんな熱気の中で、森本レオは独特のウィスパーボイスとどこか脱力した佇まいを武器に、俳優やナレーターとして異彩を放っていた。一方、水沢アキは篠山紀信のグラビアやテレビドラマで一躍時の人となり、純粋さと大人の色気を同居させた存在として爆発的な人気を博していた。
華やかな表舞台の裏側で、当時の芸能界は独自の熱量と曖昧な境界線に満ちていた。楽屋の空気感、ラジオ局の深夜の静けさ、ロケ先での交歓。そうした空間でふたつの異なる才能が出会ったとき、そこには単なるビジネスパートナーの域を超えた、生々しくも情熱的な人間模様が紡がれていったのである。