18年間もおしどり夫婦として世間に親しまれ、CMスポンサーを抱えていた二人であれば、通常は金屏風の前やホテルの一室で「離婚会見」を開くのが平成芸能界の通例でした。しかし、二人は頑なに会見の場を設けず、FAX1枚での公表を貫きました。
この選択の裏には、両者の所属事務所による極めて冷静なリスク管理と、配慮がありました。当時の大手芸能プロダクション関係者は次のように明かしています。
「会見を開けば、ワイドショーのリポーターから『いつから寝室を分けたのか』『仮面夫婦と言われてどう感じていたか』といった下世話な質問が浴びせられるのは明白でした。感情的な言葉がひとつでも零れ落ちれば、互いのキャリアに傷がつく。特に賀来さんは当時も清純派・正統派女優としてのイメージが生命線であり、宅麻さんも男気ある頼れる大人の男という役柄が定着していました。カメラの前で頭を下げる姿を見せないことこそが、双方のブランドイメージを守る唯一の防衛策だったのです」
公の場での弁明を避けたことで、直後は「なぜ語らないのか」というメディアの反発も一部でありましたが、沈黙を守り続けた結果、スキャンダルは急速に沈静化しました。後年に遺恨を残さない見事な幕引きであったと、メディア関係者の間でも評価されています。