かつて詐欺と言えば、高齢者を狙ったオレオレ詐欺や手ぬるい架空請求が主流だった。しかし、Netflixで爆発的なヒットを記録したドラマ『地面師たち』が浮き彫りにしたように、現代の詐欺組織は高度に分業化され、プロの犯罪グループとして巧妙なトラップを仕掛けてくる。作中で主演の綾野剛が演じた交渉役のように、言葉巧みにターゲットの心理的隙を突く心理戦は、もはや社会派サスペンス映画や犯罪ドキュメンタリーの中だけの虚構ではない。
実際の事件でも、実在する法人の偽サイトやAI技術を用いたディープフェイク音声、さらには実在の弁護士や警察官の名を騙る「劇場型」の手口が急増している。日常のふとした瞬間に仕掛けられる罠は、どれほど警戒心が強い人間であっても一瞬の油断で引きずり込まれるほど計算し尽くされているのだ。