『岸辺のアルバム』の代名詞とも言えるのが、最終話近くで繰り広げられる多摩川水害の緊迫した場面だ。実際の1974年多摩川堤防決壊事故のニュース映像と、スタジオ撮影・ロケ撮影がシームレスに組み合わされた映像美は、当時の視聴者に本物の災害を目撃しているかのような恐怖感を与えた。
特筆すべきは、土木作業の重機や濁流に押し流されるマイホームの実録映像を、劇中のストーリーへ組み込むという大胆な演出技法だ。破綻した家族の象徴である「家」が文字通り水中に消え去るシーンは、日本のテレビ史に残る語り草となっている。