従来、大学の教壇に立つ条件といえば、博士号の取得や査読付き論文の執筆実績といった学術的なキャリアが絶対視されてきた。しかし、今日の高等教育界を取り巻く環境は激変している。少子化に伴う全大学全入時代の到来、そして産業界から強く要求される「即戦力となる課題解決能力」の育成である。
教科書に書かれた理論だけでは、刻一刻と変化するグローバル社会の潮流に追いつけない。そこで白羽の矢が立ったのが、芸能界という苛烈な競争を勝ち抜いてきたプロフェッショナルたちだ。一瞬の判断ミスが致命傷となる現場で長年生き残ってきた表現者たちの経験則は、既存の学問体系にはない独自の価値を持つ。学位の有無や学歴の壁を取り払い、現場で鍛え抜かれた生きたノウハウを講義に注入する。これこそが、今大学が彼らを熱望する最大の理由だ。