「御朱印がひどい」と叫ぶ参拝者と寺社の苦悩、過熱ブームの裏側

「御朱印がひどい」と叫ぶ参拝者と寺社の苦悩、過熱ブームの裏側

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表面的な「サービスの悪さ」や「転売」の奥にある本質的な病巣は、参拝者側のマナー崩壊と「客意識」の肥大化にある。神社本庁や全日本仏教会にも、全国の加盟寺社から参拝者の著しいマナー低下を嘆く声が数多く寄せられている。

「お参りもせずに授与所へ直行する」「『もっと可愛く書け』と注文をつける」「乾いていない墨を触って汚したのに『書き直せ』と怒鳴り散らす」――現場で聞かれる実態はあまりに過酷だ。ある寺院の住職は、毅然とした表情でこう明かした。

「御朱印はスタンプラリーの景品でも、代金を払って買う商品でもありません。納経やお参りを果たした証としてお分かちする神聖なものです。しかし近年は『お金を払っているのだから客だ』という態度で来られる方が後を絶たない。神仏への敬意を欠いた振る舞いに対して注意を促したことが、ネット上では『態度がひどい寺』として晒されてしまうのです」。

近年の観光公害(オーバーツーリズム)の波もこの摩擦に拍車をかける。静けさを尊ぶ境内に観光バスが横付けされ、撮影禁止エリアでの無断撮影や大声での歓談が繰り返される。受け入れ側のキャパシティを遥かに超えた観光客の殺到が、現場の神経を極限まで摩耗させているのだ。

中村 さくら
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中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。