風が吹き抜ける橋の上を、自転車通勤のワーカーとキャリーケースを引く旅行者がすれ違う。かつて東京都大田区と神奈川県川崎市を隔てていた多摩川下流部において、多摩川スカイブリッジ整備事業が結実したインパクトは計り知れない。国土交通省主導のもとで進められたこの架橋プロジェクトは、川崎臨海部と羽田空港周辺の移動動線を劇的に変えた。
これまで川崎駅から羽田方面へ向かうには、鉄道の乗り換えや産業道路への迂回が避けられなかった。しかし現在、殿町国際戦略拠点キング スカイフロントから橋を渡れば、わずか数分で対岸の空港敷地へ到達できる。単なる道路一本の開通ではない。人と知恵、そしてモノが昼夜を問わずダイレクトに循環する巨大なパイプラインが開通したことを意味している。