辞書を引くと、cardの日本語意味は「カード」「紙片」「札」「トランプ」「名刺」など多岐にわたります。英語における「card」の本質は、素材(紙やプラスチック)と形状(薄くて硬い四角い板)を表す包括的な名詞です。そのため、英語圏では「薄くて四角いもの」であれば、それが名刺であれトランプであれ、すべて「card」の一言で通じます。
対照的に、日本語は機能や用途ごとに明確な専用語を割り当てる言語文化を持っています。例えば、ビジネスシーンで「Do you have a card?」と聞かれた際、頭の中で単に「カード」と直訳してしまうと、クレジットカードなのかポイントカードなのか判断に迷うことになります。正解はもちろん「名刺はお持ちですか?」です。
カードの日本語表記自体は明治以降の外来語として定着していますが、翻訳の現場では「何のためのカードなのか」を見極め、適切な日本語を補うプロセスが欠かせません。これが、英語のcardを日本語訳する際に単なるカタカナ表記だけでは不十分とされる決定的な理由です。