インターネット上には睡眠改善に関する情報が氾濫していますが、中には逆効果をもたらす危険な誤解が平然と流通しています。中途覚醒を悪化させる代表的な3つの誤解を是正します。
最も悪質な誤解は「お酒を飲めばぐっすり眠れる」という寝酒の習慣です。アルコールは中枢神経を抑制するため一時的な入眠は早めますが、摂取後約3時間で体内で代謝され、毒性の強いアセトアルデヒドへと変化します。アセトアルデヒドは交感神経を刺激し、レム睡眠を激しく阻害して後半の睡眠をズタズタに分断します。加えてアルコールの利尿作用が膀胱を刺激するため、中途覚醒を最も確実に引き起こす悪手です。
次に危険なのが「眠れないならベッドでじっと目を閉じて横になっているべき」という神話です。「横になっているだけで脳の7割は休まる」といった言説が散見されますが、これは覚醒状態のストレスがない場合に限られます。眠れない焦りを抱えたまま20分以上ベッドに居続けると、脳は「寝室=不快な覚醒ゾーン」と学習してしまいます。20分眠れなければ、潔く布団から出て薄暗いリビングへ移動し、単調な読書などで副交感神経を刺激し直すのが睡眠医学のグローバルスタンダードです。
最後に「夜間頻尿を防ぐために夕方以降は一切水分を摂らない」という極端な制限です。過度な水分制限は血液粘度を高め、脱水から脳梗塞や心筋梗塞のリスクを引き上げるだけでなく、濃縮された尿が膀胱粘膜を直接刺激して、かえって過敏な尿意を引き起こします。夕食以降も常温の水をコップ1杯程度、喉の渇きに応じて口に含むのが正しい水分管理です。