観光ガイドブックにはまだ載っていない、地元民だけが夜な夜な集う隠れた名店「麺屋 潮彩」の暖簾をくぐった。店主の仕込み作業に密着すると、そこには塩ラーメンの伝統を汲みつつも全く新しい挑戦を続ける職人の執念があった。秘伝ダレの核となるのは、道南産真昆布と干し貝柱を贅沢に使用し、低温でじっくり抽出した特製醤油カエシだ。
「スープがない分、ごまかしが一切効かない。タレと油のバランスが一ミリズレるだけで台無しになる」と店主は語る。さらにファンを魅了して離さないのが、週末深夜にしか提供されない限定メニュー「噴火湾産ホタテの炙りバター油そば」だ。熱々の麺の上で徐々に溶け出す自家製ホタテバターが、コクのある醤油ダレと絡み合い、官能的なまでの濃厚さを生み出す。裏メニューとして常連に愛される寒だらの肝和えオイルの投入など、職人の探求心は留まることを知らない。