かつての学校トイレを知る大人がいま最新の改修済み校舎へ足を踏み入れると、その変貌ぶりに息を呑みます。間接照明に照らされた明るいエントランス、清潔感あふれるホワイトや木目を基調としたブース、フットスイッチやセンサーに手をかざすだけで流れる節水型便器。これらは一部の私立名門校の話ではなく、公立学校現場で現実に進んでいる学校トイレリニューアル最新事情です。
1996年にTOTOなどの衛生陶器・建材メーカーが結集して発足した「学校のトイレ研究会」が四半世紀以上にわたり提唱してきた「安心・清潔・快適」の理念は、いまや教育空間のデファクトスタンダードになりつつあります。改修を手がける光建舎などの施工現場報告によると、単に和式便器を洋式に取り替えるだけでなく、低学年児童の体格差に合わせた便座高の選定や、特別支援学級・車いす利用者に配慮した多機能ブースの併設が標準化しています。
なかでも劇的な衛生改善をもたらしたのが「床の乾式化」です。昭和の学校トイレは、床のタイル一面に水を撒いてデッキブラシでこする「湿式清掃」が主流でした。しかし、この湿気こそが細菌の温床となり、尿の飛沫と混ざり合って強烈なアンモニア臭を放つ最大の元凶だったのです。床に水を流さず、モップや除菌クロスで拭き掃除を行う「乾式清掃」へ切り替えた学校では、学校のトイレ乾式化メリットとして湿度が大幅に低下し、カビや悪臭の発生が根本から抑え込まれるという実証結果が報告されています。