受験市場における評価も変貌を遂げている。近年の入試動向を分析する医学教育産業の関係者によれば、各都道府県ごとに2〜3名程度という極めて狭き門である点に加え、単なる学力偏重から「過酷な地域医療に耐えうる適性」を重視する選考へとシフトが加速しているという。一次試験の学力試験を突破した後に待ち受ける二次試験の面接では、地域への定着意思や人間性が冷徹なまでに見極められる。
大手医療従事者プラットフォーム「m3.com」の医師コミュニティや予備校の追跡調査でも、難易度の高止まりが指摘されている。共通テストや私大上位校に匹敵する偏差値が求められる一方で、地方出身の志望者が地元枠としての合格を勝ち取るための戦略はより高度化した。浪人生よりも現役生の合格率が一定水準を保つ傾向や、地域枠入試の乱立によってかえって「元祖・地域医療の牙城」としての自治医大のブランド価値が再評価されている側面も見逃せない。