『VIVANT』前半戦のハイライトは、間違いなく野崎と乃木憂助によるバルカ共和国からの脱出劇だ。しがない商社マンを装う乃木と、彼の中に潜む異質な能力を見抜こうとする野崎。二人の間に流れる張り詰めた緊張感は、サスペンスとしての質を飛躍的に高めた。
物語が進むにつれ、二人の関係性は単純な「追う者と追われる者」から、互いの能力を認め合う高度な心理戦へと昇華していく。直接的な言葉を交わさずとも意図を汲み取る「沈黙の会話」は、従来の刑事ドラマにはない洗練されたバディ像を提示し、世界中のサスペンスファンを唸らせた。