彼女の才能は漫画のコマの中だけに留まらなかった。『もものかんづめ』『さるのこしかけ』をはじめとするミリオンセラーエッセイ群は、文字間に溢れる独特の語り口で出版界を席巻した。飾らない言葉で綴られる日常のトラブルや独特の人間観は、読者に強い共感と笑いを提供した。
漫画家としての卓越した観察眼は、文章表現においても遺憾なく発揮されている。『コジコジ』で見せた哲学的な深みとナンセンスさの同居は、彼女のエッセイにも通底する魅力だ。言葉選びの妙と絶妙な間隔が生み出す文章世界は、今なお多くの後進クリエイターに影響を与え続けている。