開店直後から店内を埋め尽くす人の波。お目当ては言わずと知れた名物「明太フランス」だ。ラックに乗せられた焼きたてのバゲットが運ばれてくると、店員が弾んだ声で宣言する。「明太フランス、焼き上がりました!」
次の瞬間、トレーの上に次々とパンが積み上げられていく。瞬く間に消えていくパンの山。まさに争奪戦だ。ある客は家族の分と合わせて5本を迷わずトレーに乗せ、またある観光客は「やっと買えた」と安堵の表情を浮かべる。一般的なパン屋では考えられないこの回転率の高さこそが、常にアツアツの状態で商品を提供できる最大の理由だ。熱々の生地を噛み締めた瞬間に溢れ出す明太バターの旨味。この体験を求めて、人々は列に並ぶ。