今回の現地徹底取材で見えてきたのは、観光ガイドの定番コースから一歩外れた路地にこそ眠る驚くべき遺構の数々だ。その筆頭が、街道屈指の規模を誇った清洲宿である。JR清洲駅から徒歩圏内に広がる旧宿場エリアには、開発の波を免れた枡形(クランク状の道路設計)や、江戸末期の建築様式を残す町家がひっそりと佇んでいる。
街道歩きを何倍も深く楽しむための秘訣は、五条川沿いの古橋周辺から始まる知られざる小径の踏破にある。地元有志の手によって守られてきた石造りの常夜燈や道標を丹念に辿ると、かつて大名行列が本陣へと吸い込まれていった当時の視界がそのまま蘇る。現地を歩く際は、古い町割りと現代の住宅地図を照らし合わせながら、不自然に曲がりくねった路地の痕跡を追うのが鉄則だ。そこには大手観光地では決して味わえない、歴史探偵のような高揚感が待っている。